2015年07月07日
回顧・・・1
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<相原 真>
『なぜだ! なぜ菜緒子は現れてくれない。』
頭に穴を明けるのにそう時間はかからない。
4人目ともなれば、かなり手早くできる。
頭蓋骨は中央が最後に固まる。中央にはもともと亀裂があるのだ。
頂点から後ろに約5cmのところを思いっきりハンマー(とがった方)で叩けば、
すっぽりとハンマーの大きさで穴が開く、白いしわくちゃの脳がすぐに血で染まっていく。
すべてが穴の中央に吸い込まれる様に・・・・
そして、どこからか現れる菜緒子を待っているのだ。
今日も収穫はない。
『菜緒子 教えてくれ。私は知りたいだけなんだ。』
菜緒子のお蔭で、非日常を楽しむことができた。
しかし、非日常はそれを繰り返せば、すぐに日常に変わってしまう。
そのことが私を苦しめている。楽しめない。
だから、菜緒子に確かめたい。
『君はなぜ私の前に現れたのか?』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
相原がここまで幻想にのめり込むのは想定外だった。
人それぞれ日常に不満を持ってはいるのは間違いない。だから・・・
『非日常を楽しむ』などとは、ちょっとした遊び心からでた言葉だった。
深い意味はない。しかし、ここまできたならば、犯行を止めなければならない。
猟奇殺人の動機は非日常の体感ならば、その原因は私の侵入にあったことになる。
はやく処理しなくてはならない。事実を隠すためにも・・・・・
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<相原 真>
『なぜだ! なぜ菜緒子は現れてくれない。』
頭に穴を明けるのにそう時間はかからない。
4人目ともなれば、かなり手早くできる。
頭蓋骨は中央が最後に固まる。中央にはもともと亀裂があるのだ。
頂点から後ろに約5cmのところを思いっきりハンマー(とがった方)で叩けば、
すっぽりとハンマーの大きさで穴が開く、白いしわくちゃの脳がすぐに血で染まっていく。
すべてが穴の中央に吸い込まれる様に・・・・
そして、どこからか現れる菜緒子を待っているのだ。
今日も収穫はない。
『菜緒子 教えてくれ。私は知りたいだけなんだ。』
菜緒子のお蔭で、非日常を楽しむことができた。
しかし、非日常はそれを繰り返せば、すぐに日常に変わってしまう。
そのことが私を苦しめている。楽しめない。
だから、菜緒子に確かめたい。
『君はなぜ私の前に現れたのか?』
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相原がここまで幻想にのめり込むのは想定外だった。
人それぞれ日常に不満を持ってはいるのは間違いない。だから・・・
『非日常を楽しむ』などとは、ちょっとした遊び心からでた言葉だった。
深い意味はない。しかし、ここまできたならば、犯行を止めなければならない。
猟奇殺人の動機は非日常の体感ならば、その原因は私の侵入にあったことになる。
はやく処理しなくてはならない。事実を隠すためにも・・・・・
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Posted by タンクん at
07:17
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2015年07月07日
回顧・・・2
2015年7月
<相原 真>
『あぁ やっと会えた。』
『なぜすぐに会ってくれなかったんだ?』
相原はハンマーを握りしめている。ハンマーの先からは血がしたたり落ちている。
『また殺したのね。 非日常は楽しい?』
『そんな事はどうでもいい。 菜緒子 教えてくれ 君の目的はなんだ?』
『目的?』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私には目的などない。いやなかったはずである。
いまとなっては今回の潜入で、この事件を終わらせる事が目的である。
しかし、彼に説明しても解らないだろう。 生きてる時代が違う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『教えてくれ。教えてくれ。君はなぜ・・・』
相原は菜緒子の肩を揺すった。菜緒子の傍らには、ハンマーで頭に穴を開けられた男が横たわっている。
『私は貴方に楽しみを提供しただけよ。』
『菜緒子、知ってるかい。 非日常が続けばそれは日常に変るんだよ。もう楽しくもなんともないんだよ。なんとも。』
『知ってるわ。だから非日常を味わうためにまた違う楽しみを見つけるのよ。』
『そうやって、人は暮らしているわ。でも、あなたは違う。殺人に執着するのはなぜ?』
『君に会いたいからさ。』
『えっ!会いたいから・・・』
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
相原の答えは驚きであった。
菜緒子という幻想に会うために殺人を繰り返している。
この会話も菜緒子との交わりも全て脳の中の出来事のはず。
現実と幻想が交錯しているのだろう。
侵入の影響は計り知れない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『解ったわ。これからは一緒にいましょう。』
『ほんとうだね。いつも一緒なんだね。』
『そうよ、さぁ。この薬を飲んで二人で眠りましょう。』
『お客さん。時間超過してますよ。大丈夫ですか?』
管理人が鍵を開けて中に入ると、部屋には男が二人横たわっていた。
<相原 真>
『あぁ やっと会えた。』
『なぜすぐに会ってくれなかったんだ?』
相原はハンマーを握りしめている。ハンマーの先からは血がしたたり落ちている。
『また殺したのね。 非日常は楽しい?』
『そんな事はどうでもいい。 菜緒子 教えてくれ 君の目的はなんだ?』
『目的?』
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私には目的などない。いやなかったはずである。
いまとなっては今回の潜入で、この事件を終わらせる事が目的である。
しかし、彼に説明しても解らないだろう。 生きてる時代が違う。
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『教えてくれ。教えてくれ。君はなぜ・・・』
相原は菜緒子の肩を揺すった。菜緒子の傍らには、ハンマーで頭に穴を開けられた男が横たわっている。
『私は貴方に楽しみを提供しただけよ。』
『菜緒子、知ってるかい。 非日常が続けばそれは日常に変るんだよ。もう楽しくもなんともないんだよ。なんとも。』
『知ってるわ。だから非日常を味わうためにまた違う楽しみを見つけるのよ。』
『そうやって、人は暮らしているわ。でも、あなたは違う。殺人に執着するのはなぜ?』
『君に会いたいからさ。』
『えっ!会いたいから・・・』
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相原の答えは驚きであった。
菜緒子という幻想に会うために殺人を繰り返している。
この会話も菜緒子との交わりも全て脳の中の出来事のはず。
現実と幻想が交錯しているのだろう。
侵入の影響は計り知れない。
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『解ったわ。これからは一緒にいましょう。』
『ほんとうだね。いつも一緒なんだね。』
『そうよ、さぁ。この薬を飲んで二人で眠りましょう。』
『お客さん。時間超過してますよ。大丈夫ですか?』
管理人が鍵を開けて中に入ると、部屋には男が二人横たわっていた。
Posted by タンクん at
18:08
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