疑惑・・・3
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研究所内第1会議室
伊藤がすぐに返答した。
『はい。解っていました。』
『我々は、心理状態が思考回路に及ぼす影響を思考解明と言うワードで探究してきました。』
『環境によって形成された思考回路は、あるスイッチで行動を伴う狂喜に向かいます。』
『どう言うことですか?』
『スイッチには色々ある。 最近の研究では“遺伝子スイッチ”が注目されているが・・・』
『“殺人スイッチ”と言うべきものでしょうか。』
『とにかく、そのスイッチを見つけることが思考解明と言うことなんですか?』
『我々は、脳裏に侵入しそのスイッチが何なのか?を探ってきました。』
伊藤の声が少し高くなっている。
立ち上がった新庄の顔は高揚している。
『そのスイッチを見つけたんですね。』
少し間をおいて、伊藤は誇らしげに続けた。
『そのスイッチは視覚にありました。』
『視覚』
『つまり、目で見なければスイッチは入らない。』
『そうです。それを確かめる為に、我社の研究員に極秘に実像化をしてもらいました。』
『実像化と言っても・・・・』