警鐘・・・3
白井の潜在意識はさほど衝撃を味わうものではなかった。
彼が犯罪に手を染めるに至った心理の解明の為、彼の過去(中学時代)にも足を運び、
そして解明に勤しんだ。
いざ侵入してしまえば、その思考回路は単純で、ある種もの足りなさを感じるほどだった。
白井は少年時代から頭がよく、周りからは“神童”と呼ばれていた。
田舎ではよくある話である。ちょっとできれば、すぐ噂は広まる。
当然彼は、幼くして一目を置かれ、その様に育った。
彼の本来の性格は優しく力持ちといった様なもので、正義感にあふれ、白黒はっきりさせるタイプ。
後に犯罪行為をするとは思えない。
私は常日頃、性格は環境によって育てられると考えている。
すべての人の本質はさほど変わりなく、その人がその様になるのは、周りの環境のせいで、
決して血液型や遺伝によるものではないと考えている。
白井との付合いの中で、彼が後に犯罪に手を染めない様に働きかけをしたことも・・・・・・